くらしトゥデイ / 地震・防災

地震で飛ぶのはどの家電か — 重さではなく置き場所で決まる

「うちは重い家電が多いから大丈夫」と思っていても、実際に動く・倒れるかどうかを決めているのは重さだけではありません。置き場所の高さ・住んでいる階・接地面の広さ・キャスターの有無の4つで、動きやすさは大きく変わります。自宅を見回って優先順位をつける考え方と、止め方の種類とその限界を整理しました。

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「重いから動かない」は本当か

冷蔵庫や電子レンジのような重い家電は、たしかに軽い小物より動きにくい面があります。ただし、重さだけで動く・動かないが決まるわけではありません。

同じ重さの家電でも、どこに・どんな状態で置かれているかによって、揺れの受け方はまったく違います。床にじかに置いた重い冷蔵庫より、キャスター付きの台に載ったオーブンレンジのほうが、小さな揺れでも走り出すことがあります。

「重い=安全」という順位づけをそのまま信じると、本当に動きやすいものを見落とすことがあります。次の章で、動きやすさを決めている要素を整理します。

家電の動きやすさを決める4つ

次の4つが揃うほど、家電は小さな揺れでも動きやすくなります。逆に、重さが同じでもこの4つが少ないものは、比較的動きにくいと考えられます。

置かれている高さ(重心の高さ)

棚の上や台の上など、床から高い位置に置かれたものは、同じ揺れでも大きく傾きやすくなります。重心が高いほど、小さな力で傾く力(てこの原理)が働くためです。床置きの冷蔵庫より、棚の上の電子レンジやオーブントースターのほうが、この点では条件が悪くなります。

住んでいる階(建物の上の階ほど揺れが大きい)

同じ地震でも、建物の1階と最上階では、家具や家電にかかる揺れの大きさが違います。一般に、建物の上の階ほど揺れは大きくなる傾向があります。マンションの高層階に住んでいる場合、階数の低い住まいと同じ感覚で「これくらいなら大丈夫」と判断すると、実際の揺れとずれることがあります。

接地面の広さ

床や台と接している面積が小さく、背が高いものは倒れやすくなります。縦型の空気清浄機、スピーカー、扇風機などは、接地面のわりに背が高いため、この条件に当てはまりやすい家電です。

キャスターの有無

キャスターが付いている台や家具は、床との摩擦がほとんど無いため、重くても揺れの方向へ走ります。オーブンレンジ台、テレビ台、ワゴンなど、キャスター付きの家具に載った家電は、置き場所を見直す優先度が上がります。

まとめ:重さは動きやすさに関係する要素の一つですが、高さ・階・接地面・キャスターの4つのほうが効きます。「重いから後回し」ではなく、この4つで見直す家電を選びます。

自宅を見回って優先順位をつける

統一された基準で全部を採点するより、次の順番で家の中を見て回ると、優先度の高いものから見つけやすくなります。

  1. 高い位置にある家電を先に見る(棚の上・台の上・吊り戸棚の中など)
  2. キャスター付きの台や家具に載っている家電を見る(テレビ台・オーブンレンジ台・ワゴンなど)
  3. 接地面が小さく背が高い家電を見る(縦型の空気清浄機・スピーカー・扇風機など)
  4. 就寝場所・出入口の近くにあるものを優先する(倒れた場合に体に当たる・逃げ道をふさぐ位置にあるもの)

この順番で見ていくと、「重いから安全」と思い込んでいた家電より先に手をつけるべきものが見つかることがあります。

止め方の種類と、それぞれの限界

商品名や商品ページに耐震性能を示す表示があるものがありますが、それは出品者・メーカーによる表示です。当サイトがその効果を保証するものではありません。用途や設置条件に合うかどうかは、各商品ページの記載でご確認ください。

転倒防止ジェル(粘着マット)

家電の底面と台の間に挟んで使う、粘着性のあるマットです。工事や穴あけが不要で、比較的手軽に使えます。

一方で、次のような限界があります。

粘着タイプの転倒防止ジェルの例です。設置面の状態や対応する重さは、商品ページでご確認ください。

転倒防止ベルト(固定金具)

家具・家電と壁を、金具やベルトでつなぐタイプです。ジェルより固定力が期待できる一方、次の条件が関わります。

壁や家具に固定する転倒防止ベルトの例です。設置に下地が必要な場合があるため、商品ページの説明をご確認ください。

止め具を使っても、家具・家電の動きを完全に無くせるとは限りません。設置条件(壁の材質・下地の有無・床の状態)によって効果は変わります。不安がある場合や、大型の家具・家電の固定方法に迷う場合は、施工業者や住まいの管理者にご相談ください。

このページで分からないこと

この記事は、家電が地震で動く・倒れるかどうかに関わる一般的な要素(高さ・階・接地面・キャスターの有無)と、止め具の種類ごとの一般的な限界を整理したものです。特定の商品の性能や、個別の住まいでの効果を保証するものではありません。設置や工事の要否については、施工業者や住まいの管理者にご確認ください。