新築やリフォームでコンセントの高さを調べると、「15cmが一般的」という情報を目にすることがあります。全国一律に高さを義務付ける法令やJISは確認できませんが、用途別の標準寸法や推奨値はいくつか公表されています。「15cm」がどこまで当てはまる数字なのか、そして用途によってどんな目安があるのかを整理します。
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コンセントの取り付け高さについて、全国すべての住宅に一律で「15cm」や「45cm」を義務付ける法令やJISは確認できません。ただし、業界団体・公的機関・住宅メーカーがそれぞれの立場で示している標準寸法や推奨値はあります。この記事では、よく見かける「15cm」という数字が実際は何の高さなのかを確かめたうえで、部屋の用途ごとに参照されている目安を整理します。
コンセントの高さの目安として「15cm前後」という数字を見かけることがあります。この数字が確認できる例として、神奈川県が公表している『神奈川県県営住宅標準プラン集』の「表-2 機器標準取付高さ」があります。この表では、床上から中心までの高さとして、コンセント(一般)は300mm(30cm)、コンセント(和室)は150mm(15cm)と、部屋の種類ごとに異なる数値が示されています。
つまりこの資料が示す「15cm」は、神奈川県営住宅の標準設計における和室の高さであり、民間住宅を含む和室全般の標準として確認されているわけではありません。畳の上に座って使うことを想定した和室では低い位置の方が使いやすいという理由が考えられますが、資料で確かめられたものではありません。また、これは神奈川県営住宅の設計標準であり、全国の民間住宅に適用が義務づけられた法令ではありません。
和室以外の一般的な居室でよく参照される目安としては、次のようなものが確認できます。
この高さは壁の下部にある巾木(幅木)に近く、家具を壁際に置いたときにコンセントが家具の陰に隠れやすい、部屋を見渡したときにコンセントやコードが目に入りにくい、といった目立ちにくさの面での理由が考えられますが、この理由づけ自体は根拠資料で確かめられたものではありません。数値そのものは、業界団体や住宅メーカーが示す設計上の目安であり、法令上の義務ではありません。
根拠資料が示しているのは、高齢の方やかがむのがつらい方への配慮として推奨されている高さです。かがむ動作の負担を減らしたい場面では、この配慮の目安を参考にする考え方もあります。
選ばれる場面として挙げられるのは、掃除機のプラグを日常的に抜き差しする場所、かがむ動作が負担になる人がいる家、ベッドやソファのそばで座ったまま手を伸ばしたい場所などです。高い位置にすると、しゃがむ動作を減らしやすくなる一方で、低い位置に比べるとコンセントやコードが視界に入りやすい、という面もあります。これらの使われ方や効果は一般的に言われている例であり、根拠資料で確かめられたものではありません。
高さを家全体で一つに決めるのではなく、部屋ごと・コンセントごとに「そこで何を、どのくらいの頻度で使うか」から逆算する考え方もあります。
新築やリフォームでコンセントの位置・高さを決める際は、こうした使い方の想定を設計や工事の担当者に伝えておくと、部屋ごとに高さを変える相談がしやすくなります。
コンセントの高さを変えたい場合、位置を移すには電気工事士の資格が必要です。電気工事士法第3条第2項は、一般用電気工作物等の電気工事は第一種または第二種電気工事士でなければ従事できないと定めています。また経済産業省の電気工事士法施行規則第2条第2項第1号イは、配線器具の取り付け・取り外しなどの作業を、資格が不要な「軽微な作業」から除外しています。
例外として、壁に露出して取り付けられた露出型コンセントを、同じ位置のまま取り換えるだけの作業は、施行規則上「軽微な作業」に含まれ、資格がなくても行える場合があります。ただし新設・増設や、壁に埋め込まれたコンセント本体の交換には、この例外は適用されません。なお、完成品の電源プラグをコンセントに抜き差しする行為そのものは、電気工事にはあたりません。
高さや位置を変える工事は、電気工事士の資格を持つ業者に相談することをおすすめします。
この記事は、業界団体・公的機関・住宅メーカーが公表している資料をもとに、コンセントの取り付け高さの目安と出所を整理したものです(2026年9月6日時点の確認)。全国一律の義務を示すものではなく、各出所がそれぞれの立場で示す標準値・推奨値です。実際の工事内容・費用や、お住まいの条件に合わせた判断については、電気工事を担当する業者にご確認ください。