ベランダの排水口は、ふだんあまり意識しない場所です。ところが落ち葉や砂などでふさがると、雨水が行き場を失って、室内への浸水や階下への漏水につながるおそれがあると、自治体や住宅メーカーが案内しています。何が起きるのか、どこを確かめるのか、集合住宅では誰が手入れするのかを、公的な資料を中心に整理しました。
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早見:排水口が枯れ葉や砂でふさがると、雨水がたまって住戸内へ浸水するおそれがあります。階下への漏水が起こり得ることにも、防水工事の業界団体や住宅メーカーが触れています(詰まると起きること)。確かめる対象は、排水口や排水溝まわりのごみ、落ち葉、砂、泥、そして植木鉢の根です(確かめる場所)。自治体は、大雨や台風の前に排水口を掃除するよう案内しています(手入れ)。マンションなど集合住宅では、バルコニーは共用部分でも清掃は住人側の役割とされる例がありますが、建物ごとに違うため管理規約で確かめます(共用部分の扱い)。
ベランダの排水口が枯れ葉や砂でふさがると、雨水がたまって、住戸内へ浸水するおそれがあります。住友林業レジデンシャルは入居者向けの案内でこの点に触れています。自治体では瑞穂市が、ベランダの排水溝が落ち葉やごみで詰まると、上階や天井裏への浸水が起こり得ると案内しています。住友林業レジデンシャル/瑞穂市
階下への漏水も起こり得ます。防水工事の業界団体である関東防水管理事業協同組合は、排水溝の詰まりによる階下への漏水に触れています。大和ハウス工業はマンション向けの案内で、避難ハッチまわりなどから下の階へ水が流れる場合があると説明しています。関東防水管理事業協同組合/大和ハウス工業
水がどこを通って下の階や室内へ届くかは、建物の構造や防水の状態によって変わります。上の資料は、どの建物でも同じ経路をたどると述べているわけではありません。
住人が自分で確かめられる対象は、排水口や排水溝まわりのごみ、落ち葉、砂、泥などです。横浜市の入居者向け資料は、これに加えて、植木鉢の根による詰まりにも注意するよう促しています。ベランダに植木鉢を置いている場合は、鉢の底や根が排水口まわりに入り込んでいないかも、見る場所の一つになります。横浜市の入居者向け資料/住友林業レジデンシャル
自治体は、大雨や台風の前に排水口を清掃するよう案内しています。大阪市北区はベランダの排水口の清掃を挙げ、瑞穂市は雨水の排水設備を事前に点検して掃除するよう勧めています。大阪市北区/瑞穂市
大雨や台風が近い時期の備え全体を考えるときは、水や食料の備蓄も合わせて見直しておくと整理しやすくなります。必要量を計算できるページもあります。
防災備蓄の必要量計算掃除のしかたには注意があります。バルコニー床の防水仕様は建物によって異なるため、横浜市は入居者に対して、清掃のために一度に大量の水を流すことは避けるよう案内しています。横浜市の入居者向け資料
国土交通省の「マンション標準管理規約(単棟型)」は、バルコニーを共用部分の範囲に挙げ、各住戸の区分所有者に専用使用権を設定しています。これは規約のひな型です。実際の建物では、その建物の管理規約や使用細則が優先されるため、自分の住まいの規約で確かめる必要があります。国土交通省「マンション標準管理規約とコメント」
同じ標準管理規約の第21条は、通常の使用に伴うバルコニーの保存行為を、専用使用権者の責任と負担で行う形にしています。コメントは、その例にバルコニーの清掃を挙げ、計画修繕などは管理組合が担うと説明しています。排水口まわりの日常の掃除と、設備の修理や防水工事は、分けて考える必要があります。国土交通省「マンション標準管理規約とコメント」
水たまりを見ただけで「排水口の詰まりが原因」と決めつけることもできません。ごみを取り除いても流れが悪い場合や、漏水が見られる場合は、排水の経路や防水の状態なども関わり得るため、管理組合や管理会社へ連絡するのが適切とされています。関東防水管理事業協同組合/国土交通省
この記事は、ベランダの排水口が詰まったときに起こり得ることと、確かめる場所・手入れの考え方を、公的機関や事業者の案内から整理したものです。個々の建物の構造や防水の状態、管理規約の内容は、それぞれの住まいで確かめてください。