くらしトゥデイ / 洗濯とお手入れ

浴室乾燥で洗濯物が臭くなるのはなぜか — 乾くまでの時間を延ばしている条件

生乾き臭の原因は菌と衣類に残った汚れです。乾くまでの時間をどれだけ延ばしてしまっているかが焦点です。

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早見:生乾き臭の主な原因は、モラクセラ菌などの菌と、衣類に残った皮脂や汗の汚れです。濡れている時間が長いほど、菌が増える時間も延びます。浴室乾燥という方式そのものが臭いを増やすとは断定できず、詰め込みすぎ・脱水不足・浴室の水滴・残り湯・窓開け・フィルターの目詰まりなど、乾くまでの時間を延ばしている条件を減らせるかどうかが焦点になります。

生乾き臭の正体は、菌と衣類に残った汚れ

生乾き臭のもとになる代表的な成分は「4-メチル-3-ヘキセン酸」です。この成分を生じさせる主な菌として、洗濯物からMoraxella osloensis(モラクセラ・オスロエンシス)が分離・同定されています。衣類に残った皮脂や汗などの汚れと、この菌が共存する状態が、臭いの発生に関係すると説明されています(査読論文、カケンテストセンター)。

衣類に残る皮脂や汗の汚れそのものを洗濯の段階で減らす方法として、過炭酸ナトリウムのつけ置き洗いも参考になります。洗濯表示や素材によって使えない衣類があるため、使う前に確認が必要です。

濡れている時間が長いほど、菌が増える時間も延びる

衣類が湿っている時間が長いほど、菌が増殖できる時間も長くなります。リンナイの資料には、専門家コメントとして乾燥までの目安を「5時間以内」とする記載がありますが、これは専門家の見解として示されたものであり、5時間という数字自体が普遍的な科学的境界線として決まっているわけではありません(リンナイ資料)。

乾くまでの時間を延ばしている条件

乾くまでの時間は、詰め込み具合や脱水の程度など複数の条件で変わります。乾くまでの時間を延ばす条件として挙げられているのは、洗濯物の詰め込み・重なり、脱水不足、浴室の壁や床に残る水滴、浴槽の残り湯、給気不足、窓を開けたままにすること、フィルターの目詰まりです。TOTOは、衣類同士の間隔を5〜10cm空けるよう案内しています(TOTO取扱説明書、MAX、フィルターの目詰まりについて)。

浴室自体が濡れていると、まず浴室の水分を乾かす分だけ時間が延びます。換気口を確保し、窓は閉め、浴槽にふたをして、衣類を温風の当たる範囲に離して干すといった対応が案内されています。

部屋干しで乾きやすいかは診断ツールで確かめられます。

浴室乾燥・除湿機・ガス乾燥機は何分かかる?(メーカー公表値)

以下は各社が公表している乾燥時間の目安です。

方式衣類量乾燥時間の目安
温水式浴室乾燥2kg約65分
衣類乾燥除湿機2kg約80〜125分
ガス衣類乾燥機6kg約60分

温湿度、衣類の量(2kgと6kgなど)、脱水率、部屋の条件がそれぞれ異なるため、方式ごとの優劣を単純に比較することはできません。統一した条件で3方式を横断して比べた資料も確認できませんでした(リンナイ浴室乾燥、パナソニック除湿機、リンナイ「乾太くん」)。

よくある誤解:「浴室乾燥は菌を増やす」と言えるか

浴室乾燥という方式そのものが菌を増やすとは断定できません。正しく短時間で乾かせれば、むしろ菌が増殖する時間を短くできる可能性があります。問題になるのは浴室乾燥かどうかではなく、湿った状態が長引く使用条件と、浴室や衣類に残る汚れ・微生物です。

浴室の天井にカビが多い住宅では、衣類にカビの胞子が付着した実験例があります(ライオン)。ただしこの調査は1住宅を中心とした試験であり、モラクセラ菌の増殖を調べたものではありません。カビの付着と、生乾き臭の代表成分を生じさせる主要菌として同定されているモラクセラ菌の増殖は、別の話として扱う必要があります。

参考:査読論文(Applied and Environmental Microbiology)、カケンテストセンター、リンナイ株式会社、TOTO株式会社、株式会社MAX、パナソニック株式会社、ライオン株式会社。いずれも各機関・各社が公開している情報を確認しました。