台風が近づくと「窓ガラスに米の字の養生テープを貼る」という話をよく見聞きします。ただ、これは「強度が上がって割れなくなる」という話でも「まったく意味がない」という話でもありません。このページでは、メーカーや試験機関が公表している情報をもとに、テープで変わること・変わらないことを分け、限られた準備時間をどこから使うとよいかをまとめます。
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台風接近前は時間が限られています。テープ貼りに時間をかける前に、次の順番で確認すると準備の抜けが減ります。
養生テープを窓ガラスに米の字や格子状に貼る目的は、主にガラスが割れたときに破片が飛び散りにくくすることだと語られています。「テープを貼ればガラスが割れなくなる」という話とは別のものですが、この2つが混同されて伝わっていることがあります。ただしYKK APは、養生テープを貼っても割れたガラスが飛び散ることを防ぐ効果は確認できていないとしています。
サッシメーカーのYKK APは、よくある質問(FAQ)のなかで、×印・米の字に貼った養生テープに「ガラスを割れないようにする効果」は確認していないと明記しています(出所: YKK AP よくあるご質問「窓ガラスに養生テープを貼ると台風対策になりますか」)。テープを貼ることで、ガラス自体の耐風圧性能が上がるわけではない、という点は公式にはっきり示されています。
YKK APは、JIS R 3109(建築用ガラスの飛来物衝突試験方法)を参照した飛来物衝突試験も公開しています。単板4mmのガラスに、瓦の破片を模した木材を秒速12.2mで衝突させる条件では、養生テープなどを貼った状態でもガラスの飛散は避けにくいという結果が示されています。一方で、段ボールを複数枚重ね、その上からテープを増し貼りした条件では、ガラス片の飛散が低減したことが確認されています(出所: YKK AP「台風・大雨に備える」台風対策ページ)。
つまり「テープ1本だけ」で飛散を防ぐのは難しく、段ボールなどで面を覆ったうえでテープを併用する方が、飛散低減の効果が確認された条件に近くなります。それでも「割れない」ようにする効果ではなく、あくまで「割れたときの飛散を減らす」ための応急的な備えという位置づけです。
板硝子協会は、台風・強風への本来の備えとして、耐風圧計算にもとづいた適切なガラスの厚み選定と、防災安全合わせガラスのような、割れても破片が飛び散りにくい構造のガラスへの入れ替えを挙げています(出所: 板硝子協会)。テープや段ボールでの応急処置は、こうした本来の対策の代わりにはなりません。
段ボールで窓面を覆い、その上から養生テープで固定する場合の例です。実際の枚数や貼り方は窓のサイズによって変わります。
台風が過ぎたら早めに剥がしてください。段ボールを貼ったままにすると熱がこもってガラスが割れることがあります。剥がすときは、ガラスが割れている可能性があるので破片に注意してください。
本ページの記述は、YKK AP・板硝子協会が公表している情報にもとづいています(各出所は本文中のリンク先を参照)。ガラスの飛散低減効果は特定の試験条件での確認結果であり、あらゆる窓・状況での効果を保証するものではありません。